That’s a hard problem. "難問"
九州一旅・二日目 
 

 
 
  

 
  

15:50 桜島フェリー (From:桜島、To:鹿児島)

  
今朝は相部屋の人がドタドタと歩く音もあり、予定より早く7時前には起床。

既に冷めてしまっている朝食をさっさと流し込み、隣客との会話も程ほどに、

ユースホステルを飛び出した。一路、昨日経由した鹿児島中央駅を目指す。

10時すぎには鹿児島中央駅に着いた。その足でまずは駅構内の案内所へ行き、

桜島観光バスの予約を入れると同時に、昼食にするお店の参考に、

味のくろいわという駅前のラーメン屋さんを紹介してもらった。

このラーメン屋さんは会社の同期からオススメと紹介されており、

ガイドブックからは天文館通りのお店しか知らなかったのであるが、

この観光バスの都合を考えると、駅前のお店を選択することにした。

ラーメンを食べる前に少し散策をと、観光バスで周る城山を除く、大久保利通や

西郷隆盛ゆかりの地や記念碑を周った。

道中には、東郷平八郎など日露戦争で活躍した有名な軍人を称える碑も多くあり、

薩摩の郷中教育という独特の厳しい教育文化が、多くの偉人を輩出したことを知る。

ゆとり教育と騒がれた昨今、子供たちにとっては本当に何がいいのか?という答えを

より一層難しくしてくれるものだ。

とはいえ、実は俺が一番感銘を受けた碑は全く種別が違うものだった。

それは、大久保利通像と通りを挟んで真向かいにある記念碑だった。

「戦災復興記念碑」

案内文によると、太平洋戦争末期、鹿児島は90%以上を消失したらしい。

それを、復興事業で南日本を代表するまでの大都市にまで立て直したのは、

敗戦の失意の中でも頑張った市民達がいたからこそだという。

奈良京都という歴史遺産があり、空襲と無縁の地域にて育てられたおれは、

全く考えられていないことだった。

修学旅行で広島や長崎には行ったものの、原爆の悲惨さのみが印象に残っただけで、

残された人々の大変さをまともに考えれていなかった。

西郷隆盛や大久保利通などの歴史上の偉人もそうだが、鹿児島の人々を素直に

敬う自分がそこに一人佇んでいた。

その後の昼食の鹿児島ラーメンは、なかなかの味わいだった。

店外に広がる肉の臭みを含む独特の香りに心配になるものの、

口に含んでみればそんな心配は無用だったと後悔した。

濃くもほどほどであり、こってりとしたしつこさは意外とない。

とんこつベースであるもあっさりとさらりと食べれる和風のイイ味だった。

昼食に十分に満足しつつ乗り込んだ観光バスは城山とその周辺の遺跡を流しつつ、

桜島フェリーに乗って、桜島観光へと連れて行ってくれた。

城山での西郷縁の遺跡は車窓から観光するだけの味気なさには少し残念だったが、

途中、日豊本線のトンネル入口の上部には西郷隆盛の言葉「敬天愛人」の碑や

「天守を持って城をなすのではなく、人を持って城となす」とういう精神の下に

築かれた鶴丸城などの解説を聞けたのはいい土産話となった。

西郷隆盛最後の時の話や、私学校跡の石垣に残っている無数の銃痕を見ると、

戦争のむなしさを思い知る。

そこまでして得られるものは何なんだろうか。

この正月に会社の同期が自分でデザインして送ってくれた年賀状メールには、

駐車禁止マークの中に「WAR」という文字が入っていた。まさしくその通りである。

さて、観光バスがカーフェリーを利用して桜島に着くと、大正3年1月12日の大噴火の溶岩で

できたて名づけられたという溶岩ロードを進んで展望台へ目指す。

年は違えど、俺の誕生日と同日の噴火に、無意味に親近感を覚え、ゴツゴツしていて

溶岩だらけの道路脇も少し愛らしく思えていた。

展望台に着くと、二日前に今年の初噴火を果たした南岳から蒸気が吹き出ているのが

よく見えた。あいにくの天気だったため、写真ではあまりわからないのが残念だった。。
 
 
 
 1:00 エースイン鹿児島

 
夕方の観光バスは仙厳園という島津家の庭園を最後に経由した。

武家屋敷は初めてでないのもあり、庭園の甘美さに浸ることはできなかったが、

大砲生産用の鉄炉跡や、究の末、最初に点火したガス塔の遺跡が庭園内に残っており、

新たな発見があった。

欧州との強い結びつきもあって、文明の最先端を取り入れる努力をする薩摩藩の働きと

その推進力は賞賛に値するだろう。

俺は今の会社に入って、それを出し切れないのか、それとも持ち合わせていないのか、

どちらなんだろうかと考えこんでしまった。

興味がおきない上での前者であることを願いたい。

ならば、興味があるところで、自分で証明する必要があると心に誓った。

夕食時にはホテルのチェックインを済ませて、鹿児島の繁華街の天文館通りを目指した。

黒豚を食べるべく事前に調べておいた六白というとんかつ屋さんへ。

六白とは、沖縄から持ち込み鹿児島で飼育している豚の名称らしいが、

鼻としっぽと4つの足先が白くなっていることから、六白と呼ばれたそうである。

鹿児島産黒豚というブランドに胸を躍らせながら、メニュー表の最上部のものを頼んだ。

「黒豚六白ヒレかつ定食」

しかし、出てきたものは中味が多少パサついていて旨みの薄い味のとんかつだった。

食通でもなんでもないド素人の勝手な解釈なので間違っているかもしれないが、

かつを棒で叩きのばして、重ねて揚げているような感じがした。

そう、恵比寿にあるキムカツの手法のような。

ただ、残念ながら、キムカツのようなジューシーさは感じられなかった。

ガイドブックなどに載っているお店ではなく、本当に評判のお店に行きたくて、

インターネットの口コミで地元民の評判を調べておいたつもりであったのだが、

ある一つのガイドブックに紹介されていることを、後で知ってしまった。落胆。

気を取り直して、次はつい先日によいやく味を覚えた焼酎を!と意気込むが、

同様に調べておいた店は既になく、代わりにどこのお店がいいか全くわからなかった。

若者向けの大衆居酒屋といかがわしいお水系のお店が同一地区に乱立しまっているほど、

一極集中で栄えてしまったこの付近を彷徨うだけ彷徨って、このビジネスホテルへと

戻るだけになっってしまった。まぁ、旅にも休肝日は必要ということで。

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